こんばんは。
なおき(@naoki_finance)です。
チャートを見ていれば必ずといっていほど登場するインジケータ(テクニカル指標)である移動平均線はみなさんも見たことや聞いたことがあると思います。
ですが、移動平均線にはいろいろな種類があるのはご存知でしょうか。
今回は様々な移動平均線の種類や使い方をシェアします。
目次
移動平均線(MA)とは?
移動平均線は、英語ではMoving Averageといいます。
そのため、移動平均線を略すときはMoving Averageの頭文字を取ってMAと言うことが多いので以降はMAと表記します。
MAの作られ方
MAを表示させたチャートがこちらになります。
こちらは、ビットコインの日足チャートです。
このチャートに引かれている青い線がMAとなります。
このMAの設定は、ローソク足過去9本分の終値のデータを平均化したもの(9日移動平均線)となっています。
ローソク足9本分の終値のデータを平均化とはどういうことでしょうか?もう少し拡大して解説します。
例えばこのチャートに表示されている赤矢印の箇所の移動平均の値は赤で囲ってある四角のローソク足の終値を全て足して10で割った数値となります。簡単ですね。
この数値をローソク足ごとに計算していき、その数値を線で結んだものがMAとなります。
MAで分かること
MAはチャートを見るにあたり、たぶん誰しもが一番初めに見るインジケータですが、意外と奥が深くいろいろなことが分かります。
その中で一番単純な見方はMAの傾きと大きさでトレンドの方向感と強さを図るものです。
MAが右肩上がりであれば上昇(アップ)トレンド、逆に右肩下がりであれば下降(ダウン)トレンドとなります。
左半分の上昇トレンド部分を見てもらいたいのですがローソク足は、途中で陰線(赤のローソク足)が混ざっていていまいち方向感が掴めないときもありますが、MAは右肩上がりで続いている限りは、上昇トレンドということが分かります。
また、傾きが大きい場合は、強い上昇トレンドであり、傾きが小さくなってくると弱いトレンドだということが分かります。
他にもチャートを見始めて一番最初に出てくるトレードルールに長期の移動平均線をそれよりも短期の移動平均線もしくはローソク足が交差したタイミングで売買を行うというものがあります。
このチャートは、青色の線が10日MAで黄色の線が50日MAです。
この場合、短期のMA(10日MA)が長期のMAを下に交差した箇所(左の赤〇)で売りエントリーし、短期のMAが長期のMAを上に交差した箇所(右の赤〇)で決済するというものです。
トレンドがしっかり出ている相場の場合、これだけでも利益を出すことが可能です。
ポイント
・短期MA(ローソク足)が長期MAを上に交差することをゴールデンクロス(GC)と呼びます!
・短期MA(ローソク足)が長期MAを下に交差することをデッドクロス(DC)と呼びます!
え、簡単じゃん!と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、試してみれば分かりますが、これだけをやり続けると負けますのでご注意ください。
MAの種類
これまでMAの基本的な見方を説明してきましたが、このMAは単純移動平均というその名の通り最も単純なもので実はMAには計算方法の違いで多数存在しています。
今回はその中でもよく使われているMAをご紹介します。
単純移動平均線(Simple Moving Average/SMA)
先ほどまで説明していたものが単純移動平均線です。
その名の通り、単純にローソク足の値を足して平均をとった値がMAを構成する値となります。
SMAの計算式
期間:X、ソース:終値の場合
平均値 = (現在のローソク足の終値 + 現在より1本前のローソク足の終値 + … + 現在よりX - 1本前のローソク足の終値) ÷ X
加重移動平均線(Weighted Moving Average/WMA)
加重移動平均線は、最近の値動きのほうが、現在の値動きに影響を及ぼす可能性が高いという考えから平均値を取る際に重みをつけて計算します。
そのため、最近の値動きにより影響されます。
WMAの計算式
期間:X、ソース:終値の場合
平均値 = {(現在のローソク足の終値 × 1) + (現在より本前のローソク足の終値 × 2) + … + (現在よりX - 1本前のローソク足の終値 × X) } ÷ (1 + 2 + … + X)
指数平滑移動平均線(Exponential Moving Average/EMA)
指数平滑移動平均線は、WMAよりもさらに直近の値動きに重みをつけた計算式となります。
今回ご紹介する3つの中では最も最近の値動きに影響される(反応が早い)MAです。
EMAの計算式
期間:X、ソース:終値の場合
1回目の平均値 = SMAと同様の計算
2回目以降の平均値 = 前回のEMA値 + {2 ÷ (X + 1)} × (現在のローソク足の終値 - 前回のEMA値)
ちょっと複雑な計算式ですが、基本的に自分で計算することは少なく、チャートソフトが計算してくれるので覚える必要はありません。こんなもんか~くらいに留めておきましょう。
チャートで各MAの比較
これらのMAを1つのチャートに表示させるとこのようになります。
青色がSMA、緑色がWMA、黄色がEMAとしています。(設定値はすべて同じ)
赤〇で囲った箇所を見てもらいたいのですが、SMAよりもWMA、そしてEMAの方が先にローソク足の動きに反応して下がり始めているのが分かります。
MAの表示/設定方法
私は、トレーディングビューというブラウザ上で動作するチャートソフトを使っていますが、トレーディングビューの場合のMAの表示方法をご紹介します。
MAの表示
- チャート上部のインジケーターをクリックします。
- 開いたダイアログの検索ボックスにmaと入力します。
- お好きなインジケータを選択します。
MAの設定
設定値を変更する際は、表示されたMAをダブルクリックするか左上の設定ボタンをクリックします。
長さに設定期間を入力します。
ソースは基本は終値で問題ありません。
スタイルを選択するとMAの色や太さの設定が可能です。
MAを使ったトレード
MAを使ったトレードで多く行われているのは長期線(100本~)、中期線(25~100本)、短期線(~25本)の複数をチャートに表示させておき、短期線が中期線や長期線をゴールデンクロスやデッドクロスしたタイミングでトレードを行うというものです。
ただ、MAだけを使用した場合、トレンドが出ていない(レンジ相場)は苦手になっていないのでその時はトレードしないことも頭に入れながらトレードを行う必要があるでしょう。
そして一般的にはSMAやEMAが使われることが多いですが、通貨によってどのMAが一番機能しているか過去のチャートを見て判断した上で使用していくことが大切です。
例えばA通貨ではSMAでうまく勝てたが、B通貨では全然勝てないときは、WMAやEMAを使ってみるなどの試行錯誤をしてみましょう。
まとめ
MAは、世界中の人がとりあえず表示させているインジケータの基本ですが、なんとなく表示させていてもうまく使いこなすことはできません。
どの種類のMAでどのような設定をすればうまく機能しているか確認してみると勝率も高くなっていきますのでぜひいろいろ試してみてください。
ではまた。
今回サンプル画像で載せたチャートはトレーディングビューという高機能チャートソフトを使っています。
無料でも十分な機能が使えますので一度お試しください。